こんにちは、沖縄市ゼロカーボン推進窓口事務局です。
「ゼロカーボン」や「カーボンニュートラル」という言葉から、多くの人は、太陽光発電や電気自動車などの新しいエネルギー技術を思い浮かべるかもしれません。もちろん、それらはとても大切な取組みです。
一方で、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの削減は、エネルギーの転換だけで達成できるものではありません。資源を採取し、製品をつくり、使い、役目を終えて手放されるまでの一連の過程でも、多くの二酸化炭素が排出されています。
そのため、「資源や製品をどう使うか」は、ゼロカーボンと深く結びついています。
この考え方を整理する枠組みとして広く知られているのが、3R(リデュース・リユース・リサイクル)です。
使う量を減らすこと、繰り返し使うこと、資源として再生すること。これらはいずれも、資源の採取や製造工程を減らし、結果としてエネルギーの消費や二酸化炭素の排出を抑えることにつながります。
つまり、資源の有効活用とは、単に「ごみを減らすための取組み」ではなく、日常生活の中でゼロカーボンの実現に近づくための身近な実践ともいえます。
前回のコラムでご紹介した沖縄市ゼロカーボンフェスティバル(2026年1月24日開催)では、こうした考え方に触れるきっかけとなるさまざまな出展が行われていました。
今回は、フェスティバルの様子も振り返りながら、資源の有効活用について、いっしょに考えてみましょう。
買うとき・使うときに、ちょっと気にしてみる
資源の有効活用は、使い終わった後の行動だけを指すものではありません。実は、「何を選ぶか」という最初の判断の時点から、資源の循環は始まっています。
素材の違いは、製造過程で使われるエネルギーや、使い終わった後の処理方法に影響し、環境への負荷にも大きな差を生みます。
日用品や消耗品を手に取るときに、「どんな素材でできているのか」「使い終わった後はどうなるのか」と一度立ち止まって考えることは、ゼロカーボンへの確かな一歩になります。
フェスティバルでは、コザ小学校で令和6年度に行われた、コンポストにかかる取組みについて紹介されていました。給食で出る生ごみをコンポストで堆肥化し、土に戻す実証実験に取り組み、当時の5年生が、給食の食べ残しを減らしながら環境について学んだものです。
これは、資源を使い終わった後の行き先までを意識することで、資源を循環させていく実践の一つといえるでしょう。
(コザ小学校児童がコンポスト活動にチャレンジした取組みについては、コチラをご覧ください。)
また、 屋内で開催されたフェスティバルでは、外靴用の靴袋としてバイオマス素材のビニール袋を使用しました。バイオマス素材とは、植物など再生可能な資源を原料の一部として使った素材のことです。石油由来の原料を減らすことで、製造過程での二酸化炭素排出の抑制につながります。
使い捨てになりやすい消耗品であっても、素材の選び方次第で、環境への影響を小さくできる可能性があることを示す一例です。
使い終わっても、役目はまだ続くかもしれません
モノの価値は、自分が使っている間だけに限られるものではありません。自分が使わなくなったとしても、別の誰かにとっては、まだ必要な存在であり続けることがあります。
限られた資源を有効に活かす方法のひとつとして、「持ち続ける」ことだけでなく、「次につなぐ」という選択があります。
このような考え方は、3Rの「リユース」にも通じるものです。読み終えた本や使わなくなった道具について、「まだ使えるかもしれない」「誰かに役立つかもしれない」と考えることが、資源を長く活かすことにつながります。
フェスティバルの思い出書店のブースでは、「だれかの思い出」が綴られた本と、「あなたの思い出」を書き添えた本を交換できる取組みが紹介されていました。思い出書店の交換拠点では、「あなたの本」に「あなたの思い出」を書いた帯を巻き、「元の持ち主の思い出」が綴られた本と交換することができます。
本は、紙資源である以前に、誰かの時間や経験を内包した存在です。その一冊を思い出やメッセージとともに次の人へ手渡すことは、単なるリユースにとどまらない、あたたかな資源の循環といえるでしょう。 モノに込められた背景を共有することで、資源の寿命が延びるだけでなく、人と人とのつながりも育まれていきます。


「もう使えない」が「まだ使える」に変わるとき
資源は、同じ役割を果たせなくなった時点で終わるわけではありません。視点を変えれば、形や用途を変えることで、新たな価値を持つことがあります。
こうした考え方は「アップサイクル」と呼ばれ、3Rとの関係では、リサイクルの発展形として位置づけられています。素材として再生するだけでなく、工夫によって価値を高め、次の役割を与える点に特徴があります。
身の回りにある廃材や包装材を「もう使えない」と決めつけず、「何に使えそうか」と考えること自体が、資源循環への参加になります。フェスティバルでも、アップサイクルにつながるワークショップが行われていました。
公益財団法人沖縄こどもの国 沖縄県地域環境センターのブースでは、使い終わったチラシを細長く切って巻き取り、ペーパービーズにしてエコブレスレットをつくる体験が行われました。
また、アップサイクル:Reによる、身近な廃材を使った工作も行われ、お菓子の袋でコインケースやポーチを作ったり、トイレットペーパーの芯で壁飾り、ペットボトルキャップでコースター、牛乳パックで帽子を作ったりと、素材の特徴を活かした多様な作品が生まれていました。
(アップサイクル:Reのワークショップで制作した作品の作り方はコチラ(外部リンク)からご覧いただけます。)
こうした体験は、「捨てるはずだったものが、手を加えることで大切なものに変わる」という実感を通して、資源の見方をやさしく変えてくれます。



身近な自然も、くらしの道具になります
資源というと、工場や製品を思い浮かべがちですが、身近な自然もまた、工夫次第で活かすことができます。
フェスティバルに出展していた工房うるはしのブースでは、剪定作業などで生まれた木材を使い、自分だけのお箸をつくる体験が行われていました。
これは、新たな木材を使わず、すでにある資源を別の形で活かす取組みであり、3Rの考え方では、リユースとリサイクルの中間に位置づけられる実践といえます。
普段は見過ごされがちな剪定木も、手をかけることで、日々の食卓で使う道具へと生まれ変わります。自然と人とのつながりを身近に感じられる取組みでした。


くらしの見方が少し変わると、未来も少し変わります
資源の有効活用は、特別な決断や大きな投資を必要とするものではありません。
身の回りのモノをどう見るか、どう選ぶか、どう手放すか。そうした日常の判断の積み重ねが、資源の消費量を抑え、エネルギーの使用を減らし、ゼロカーボンの実現につながっていきます。
沖縄市ゼロカーボンフェスティバルの出展が示していたのは、「こうしなければならない」という答えではなく、「こう考えることもできる」という視点でした。
資源との向き合い方が少し変わるだけで、私たちのくらしと環境との関係も、少しずつ変わっていくことでしょう。 次回のコラムでは、フェスティバルの出展にも触れつつ、エネルギー(省エネ・創エネ・蓄エネ)をテーマに取り上げる予定です。ぜひご覧ください。
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